マイナス金利で住宅ローンが安いのはいつまで?

マイナス金利とは?

日本銀行は1月29日、日本で初となるマイナス金利の決定を発表しました。マイナス金利とは何なのか?マイナス金利による私たちの生活への影響は?住宅ローンの金利は高くなる?といった疑問を調査しました。

まずはじめに、マイナス金利とは何かを解説します。

お金を借りたら、利子を上乗せした金額を返済します。金利とはその利子を率にして計算したもので、100円を金利1%で借りたら、101円で返すことになります。これがマイナス金利となるとどうでしょう。100円を-1%で借りることができたら、返済額が99円となります。100万円借りたら99万円返せばいいので、1万円お得ということですね。貸した側からすれば損になるわけですから、マイナス金利は理論的にはおかしな仕組みなわけです。

では今回の日銀のマイナス金利導入というニュースは、一体どういう意味を持つのでしょうか?

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銀行の銀行である日本銀行がマイナス金利になる

このニュースの主役は「銀行」になります。銀行は、一般家庭から預金としてお金を預けてもらい、その見返りに利息を支払います。そして集めたお金を、企業や住宅ローンなど借りたい人に貸し出し、利子を上乗せした返済額が銀行の売り上げになります。この預金の利息と、ローンの利子の差額が銀行の「儲け」となるわけです。

※ここでいう「利息」と「利子」は正確な用語としては同意語ですが、解説のしやすいように、預金につく金利を利息、ローンの金利を利子としています。

しかし、預金額とローンの貸出額が常に同じということはありません。預金が多くてお金が余ってしまうこともあれば、ローンを借りたい人が多くてお金が足らないということもあります。その調整役として活躍するのが日本銀行になります。日本銀行は、いわば銀行であり、預金が過剰となった場合は、銀行は余ったお金を日本銀行に預けます。逆に貸し出しが増えた場合は、日本銀行から預けたお金を下ろし、必要となれば日本銀行から借りることもできます。

この日本銀行へ預けた銀行のお金に対しての金利が「マイナス」になったというのが、今回のニュースの内容です。つまり、銀行が日本銀行にお金を預けると、通常であればプラスの利息が付くところ、マイナス金利なのでお金が減ってしまうことになったのです。銀行にとっては日本銀行に預けるほど損するわけですから、手元にお金を置くようになるわけです。

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しかし銀行も手元におけるお金の量には限界があります。現金を大量に抱えてしまっては、セキュリティ上危険ですし、お金の管理体制を整えなければならないので、維持コストがかかってしまうのです。一般家庭の感覚ならお金がたくさんあって困ることはありませんが、銀行規模になると大量のお金は逆に負担となってしまうのです。そのため、銀行は多額のお金を手元に眠らせておくよりは、貸し出して少しでも利益になるように動き出すようになります。具体的に言えば、金利が少し下がり、今よりもっとお金を借りやすくなるでしょう。

これが日銀がマイナス金利を導入した狙いでもあります。アベノミクスによって日本の景気は回復傾向に転じましたが、まだまだ一般家庭の給料アップなどにはつながっていません。企業もリスクを負って事業拡大をすることに抵抗があり、なかなか銀行からお金を借りることができていません。そこで日銀はマイナス金利というカンフル剤により、銀行の貸出意欲を刺激して、もっとお金が借りやすくなるように、そして企業の事業成長及び景気の回復のきっかけにしたいというのが狙いです。

20016年内は住宅ローンの低下が続く

マイナス金利による効果は、日銀が想定していたものと少し違った方向に動いています。日銀が当初想定していたシナリオは、マイナス金利の日銀に預ける代わりに、金利を下げて貸し出しを増やし、経済を活性化させるというものでした。しかし、実際には銀行は、日銀に預けられなくなったお金を、国債の購入に使うようになりました。お金が市場に流れずに、国の金庫に入ってしまったというわけです。

しかし、国債の購入が急増したことによって、国債の利率が大きく下がりました。一時は国債もマイナス金利になりました。

住宅ローンの金利は、国債の金利と連動しています。住宅ローンの金利の決め方は実はかなりシンプルで、国債の金利に+0.5~1.0%したものというのが相場です。つまり、国債の利率が下がれば、住宅ローンの金利も下がるのです。

マイナス金利導入→国債買いが増加→国債の利率低下→住宅ローン金利の低下

一般家庭への影響は?預金はマイナスにはならない

日本銀行の預金がマイナス金利になるなら、私たちの預金もマイナスになる可能性はあるのでしょうか?預けたお金がマイナス金利によって減ってしまうことになるのでしょうか?

結論から言えば、一般預金がマイナス金利になることはありません。前述した通り、マイナス金利は日本銀行に預けている銀行のお金にたいしてのみ適用されます。もし私たちの銀行預金がマイナスになったら、誰も銀行にお金を預けなくなります。お金が集まらなければ銀行もやっていけなくなるので、そんなことはしません。

また、銀行のATMのシステム上、マイナス金利を想定していない可能性が非常に高いです。預金をマイナスにするために、すべてのシステムを書き換える必要があり、非常に手間とコストがかかるのでそう簡単に一般口座をマイナス金利にできません。

  • 定期預金の金利が低下
  • 普通預金の金利が低下
  • 銀行手数料の値上げ

2016年1月末にマイナス金利の導入が発表されると、実施までに2週間の猶予があったにもかかわらず、定期預金の金利が引き下げられました。また、マイナス金利が正式に導入されると、さらに普通預金の金利も引き下げられました。定期預金はこれまでの普通預金並みの低金利に、普通預金の金利は0.001%とほとんど金利がつかない状態です。もともと銀行利息に大きな期待をしている人は少ないと思いますが、10万円預けても1年で1円、1000万円の預金で100円だと思うと少し寂しいですね。

マイナス金利の影響はしばらく続くと見られており、銀行の株価は下がり続け、対応をせまられています。一般家庭への影響として挙げられているのが、銀行手続き・手数料の値上げです。例えば時間外のATM使用料が上がったり、振り込み手数料の値上げが考えられます。

マイナス金利はいつまで続く?

マイナス金利導入のインパクトは当初こそ大きかったものの、景気が上向くほどの効果は得られていません。日銀の黒田総裁は、さらに引き下げる可能性を示唆しています。実際にこれまでの強気な金融緩和の手法からすると、近いうちに2回目の引き下げをしてもおかしくありません。

ヨーロッパの日銀に相当する、欧州中央銀行では既にマイナス金利が導入されており、現在ではマイナス0.3%という金利になっています。欧州中央銀行では2014年6月に初めてマイナス0.1%の金利を導入し、2015年12月には0.3%まで引き下げています。海外での事例があるということは、日本でも0.3%前後まで金利を引き下げる可能性は十分にあります。

マイナス金利導入発表は大きなニュースでしたが、日銀の黒田総裁は必要であればさらなる金融緩和も検討しているとしており、まだまだ低金利傾向が継続しそうです。

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コメント

  1. たっく より:

    フラット35を2月の金利で借りるか、3月の金利で借りるか選択できる状況にあるのですが、どちらにするべきか悩んでおります。
    今回のマイナス金利は、フラット35の3月分の金利にどの程度影響を与えうるでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

    • 住宅ローン比較.info より:

      マイナス金利導入の影響で、日本国債が大量に買い込まれており、利率も下がっています。住宅ローンの金利は国債の利率を基準に決められているため、住宅ローンの金利も下がりそうです。いつ借りれるか選べるのであれば、3月に借りた方がよいでしょう。

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