住宅ローンのボーナス併用払いをしてはいけないワケ

ボーナス併用払いとは

ボーナス併用払いとは、その名のとおりボーナスがでて収入が多くなる月に、通常よりも多めに返済することで住宅ローンの総返済額と返済期間を短縮するプランのことです。会社によってボーナスのでる回数や金額はまちまちなので、それぞれのケースごとにどのタイミングでいくら返済に充てるかは自由に調整できます。ボーナス併用払いはもちろん、ボーナスの全額を設定する必要はなく、任意の金額を設定することができます。

ボーナスは景気の動向や企業の業績によって変動しやすいことや、こどもの教育費の積立、将来の貯蓄などを考えると借入額の20%程度までを住宅ローンの返済に充てる人が多いです。

しかし筆者は住宅ローンのボーナス併用払いはハイリスク・ローリターンだと思っています。この記事では住宅ローンボーナス併用払いのリスクと、よりよい返済方法を解説・紹介していきます。

ボーナス併用払いのリスク

「ボーナス併用払いのリスク」と題しましたが、その前に簡単にボーナス払いをした場合にどれくらいの効果があるのかを検証したいと思います。

【住宅ローン】3000万円
【金利タイプ】30年固定金利
【金利】1.5%
【ボーナス払い総額(年2回)】600万円

ボーナス払い無し ボーナス払い有り
毎月返済分 10.9 万円 8.8 万円
ボーナス分  0円 13.1 万円
総返済額 3,790 万円 3,792 万円

毎月の返済額を抑えるために、ボーナスで補填するケースです。通常であれば毎月10万円オーバーの返済額になりますが、年2回のボーナス時に13.1 万円円補填することで、毎月の返済額を8.8 万円まで抑えることができます。総返済額ではほとんど差はありませんが、ボーナス併用払いで2万円ほど多くなります。

毎月の支払額が2万円も下がれば、住宅ローンの借り入れの敷居もかなり低くなるかと感じるかもしれません。しかしここでネックとなるのがやはりボーナス支払いの負担です。年2回のボーナス払い時には合計207,378円の支払いを年2回する必要となります。もちろんボーナスがしっかり支給されれば問題はないでしょう。しかし長い返済計画の中ではリスクについても十分考えておかなければいけません。

  • 会社の業績悪化によるボーナス減額
  • 転職によりボーナス額・頻度の変化
  • 病気・事故による収入減少
  • 教育費の増加・予想外の出費

バブルの崩壊以来、日本では景気が不安定な状況が続いており、今好調に見える会社もいつ業績が悪化するかわかりません。2014年3月に国税庁が発表した「平成24年度分法人企業の実態(会社標本調査)」では、赤字会社は調査法人全体(253万5272社)の70.3%の177万6253社となっています。つまり、現在の日本の会社の7割は赤字となっており、いつ倒産してもおかしくないという状況なのです。さらに年によってバラつきはありますが、毎年10,000~15,000の会社が倒産申請をしていると報告されています。
参考:国税庁統計情報

離職のリスクと住宅ローンボーナス返済

バブルの崩壊以来、景気が低迷する日本ではもはや「終身雇用」という言葉は死語となっており、厚生労働省の若年者雇用関連データによると、34歳までに63.5%の人が一度は転職を経験しています。会社を転職すればボーナスの支給方法や時期が変わる可能性は大いにあります。それまでは1月と6月に支給されていたボーナスが、4月と10月に変わるかもしれません。年2回の支給の会社もあれば、1回にまとめて1年分のボーナスを支給する会社もあります。業績が芳しくない会社であれば、ボーナスの支給額が不安定となってしまうこともありえます。これらの契約を変更するのに手数料がかかることもありますし、ボーナス支払いを止めた場合には毎月の負担が増えるか、返済期間の延長となってしまいます。

また30年という長い返済期間中には何が起こるかわかりません。病気や怪我によって入院してしまい一時的に収入が減ってしまうこともあるかもしれませんし、こどもを私立の学校に通わせるために教育費が予想を上回ってしまうということもあります。共働きであれば奥さんの収入を頼ることもできますが、空いた時間にパートやアルバイトを入れている専業主婦にとって20万円を超えるボーナス払いは補いきれないでしょう。

リスクをおわない返済方法

ボーナス払いを選択する動機は大きく分けて2つあると思います。

  • 毎月の返済負担を減らすため
  • 返済期間を短縮して総返済額を減らすため

【1】毎月の返済を減らすというのはよく聞く動機です。全項のシュミレーションを参考にすれば、毎月8万円の返済と年2回12万円づつの支払いというプランです。すでにお気づきの人もいるかもしれませんが、毎月8万円x12とボーナス2回x12万円で合計120万円の返済になります。一方でボーナス払いをしない場合は毎月10万円の支払いで、年120万円の返済をすることになります。当然といえば当然ですが、どちらの場合も返済額は同じですね。毎月ローンの返済をすると銀行の口座が0円になるギリギリの生活をしているのであれば別ですが、ある程度の貯蓄がある人にとってはボーナス支払を利用する理由はないのです。

【2】ボーナス併用支払によって、返済期間を短くすることを目的とする人もいるでしょう。借入金額3000万円金利1.5%で毎月の返済額が9万円であれば35年ローンを組む必要があります。しかし借入額の20%・600万円をボーナスで追加払いすれば返済期間を約10年間短縮することができます。

一見するとこのプランはとてもお得に見えます。しかしこのプランはあまり効率のよい返済プランとはいえません。基本的にローンは早ければ早いほど返済額は減ります。もし返済に余裕があるのであれば、元金均等支払いにし、余裕のあるうちに支払をどんどんしていきましょう

  • 【元利均等返済】毎月返済額が一定
  • 【元金均等返済】初年度の返済額が多く、だんだん返済額が減っていく
ボーナス払いあり ボーナス払い無し
借入金額 3000万円 3000万円
返済タイプ 元利均等返済 元金均等返済
返済期間 28年 30年
適用金利 1.5% 1.5%
毎月返済額 8.8 万円 12.1 万円
ボーナス払い 13.2 万円x2回 0円
総返済額 3,678 万 3,677  万円

元金均等返済プランの返済額の推移

1年目 120,833
2年目 119,583
3年目 118,333
5年目 115,833
10年目 109,583
15年目 103,333
20年目 97,083

ボーナス払いの場合は毎月の8.8万円と年2回12万円づつで合わせて毎月実質11万円ほどの支払いとなります。元金均等返済にするとはじめの支払いは12万円と1万円ほど高くなりますが、10年目にはボーナス払いを利用したプランと並び、それ以降は徐々に安くなっていきます。

元金均等返済にすることでこどもがまだ小さいうちに住宅ローンの返済に集中し、こどもが高校・大学と進学してお金が必要になった時に備えることができます。ボーナス払いであれば返済完了時期を2年間短縮することはできますが、そのころにはこどもも自立して家計には余裕ができているでしょう。

リスクを負うことになるボーナス返済を利用するならば、繰り上げ返済で余裕のある時だけ返済するということも可能です。一般的な銀行では繰り上げ返済には手数料が必要となったり、最低100万円からといった条件がありますが、ネット銀行なら手数料無料、1円からでも繰り上げ返済ができる銀行もあります。

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